インレー(銀歯)に関するTwitterの回答からの臨床的考察

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インレー(銀歯)に関するTwitterの回答からの臨床的考察

院長ブログ

2018/10/19 インレー(銀歯)に関するTwitterの回答からの臨床的考察

多分読んだら疲れます。

 

この度、ツイッターでご協力くださった、技工士の皆さま本当にありがとうございました。

一応の形にさせていただきました。

 

とりあえずインレーちゃんとやろうね、金属気にする前に形成を気にしましょう。

と書いてます。

 

保険やらないもん自費だけだし、って言う人は読む必要ありません。

でもみんながみんなそんなことないのだから、ま、できることやりましょう。

国からお金をいただいているわけですし、文句言っちゃあいけません。

 

何よりも技工士さんに感謝しましょう。

歯科医師は文句言う前に自分を見つめ直すことも大切です。

 

最後の方は書いてませんが、とりあえず論文ぽくまとめておきます。

 

 

インレー(銀歯)に関するTwitterの回答からの臨床的考察

 

緒言

 

今日の日本の歯科臨床において,金銀パラジウム合金を使用した部分被覆冠による修復は保険診療では一般的である.

一方で近年の材料や材料の加工時術の進歩は,金属を使用しない修復(メタルフリー修復)を歯科臨床にもたらした.

メタルフリー修復は製作にかかる材料費や技術費,設備投資そして保険外診療に設定されているものもあり現状,患者全員に普及してはいない.

部分被覆冠の一種に該当する,メタルインレーは半世紀以上に渡ってその形成方法や製作方法に大きな変化はない.

適合性や生存率に関して保険のインレーに対しては様々な否定的な論文も散見されるが,30年以上も口腔内に生存している症例を臨床で目の当たりするのも事実である.

生存率を高めるには,患者自身のケアをはじめ,我々術者がいかに適合性の高い修復物を口腔内に装着することも重要である.

しかし近年の金銀パラジウムをはじめとする金属の価格の高騰はインレーの形成にも大いに影響し,必要以上に形成量を少なくして金属量を少なくする試みも開業歯科医師は日夜行なっているのも否めない.

一方で学術的なインレーの形成方法に関する検討は多く散見されるが,上記のような経済状況をも加味した,今日の臨床にマッチする形成方法を報告したものは極めてく少ない.

そこで今回は,経済的かつ臨床的優位性の高いインレーの形成方法を検討するにあたり,まず第1報として,twitterというSNSを使用して歯科技工士に質問を行うことから理想的なインレー形成に対する考察を行なったので報告する.

 

材料と方法

 

対象はtwitterを利用する歯科技工士とした.理想的なインレー形成に関する情報はかさま歯科クリニックのアカウントから投票の機能を用いて質問を行い評価をすることで収集した.

質問は以下の通りとして,投票時間は24時間とした.

(1)形成の違いによる請求金属量の変化について

インレーのスライスカット部についてお伺いします.

シャンファーで形成しようがナイフエッジで形成しようが請求鋳造金属量に変化はありますか?

1変化する,2変化しない

(2)形成について

形成は? 1ナイフエッジでいいよ,2やっぱりシャンファーでしょ,3いいから綺麗にフィニッシュライン出して

(3)ボックス形態について

ボックス形態はいる?

1いらない,2あってもいいよ,3なにそれ?

 

結果

質問の回答人数は(1)は34名,(2)は30名,(3)は27名であった。

(1)形成の違いによる請求金属量の変化については38%が変化すると回答し,62%が変化しないと回答した。

(2)形成については3%がナイフエッジを容認し,33%がシャンファー,64%が形成問わず明瞭なフィニッシュラインを希望した。

(3)ボックス形態については,いらないが19%,56%があってもいいよ,25%はなにそれを回答した.

 

考察

質問の意図に関して

(1)形成の違いによる請求金属量の変化について

一般的に開業歯科医師は,提携歯科技工所に一定量の金銀パラジウム合金を預けて,そこから鋳造の度に一定量を消費することで金属修復物を製作するよう委託している.ところが実際の金属修復物製作時には,インレー本体に消費される金属の他に湯だまり,スプルー線,研磨しろ等々を加味した金属が必要となる.つまりこの金属量は曖昧なものである.さらには実際の鋳造では,複数のワックスパターンを埋没して一気に金属を鋳込むことからも,正確な金属消費量を計算することはほぼ不可能である.

スライスカットとシャンファーを比較した時に理論上ではシャンファーに比較してナイフエッジの方が仕上がりのインレーの金属は薄くなり,結果的に金属消費量は少なくなる.診療室において一生懸命その事象を考慮して臨床で形成を努めてナイフエッジにする歯科医師もいる.残念ながら今回の結果からもその努力は60%以上の確率で無駄であることが示唆された.ナイフエッジ形態とシャンファー形態の鋳造やその他技工操作,口腔内装着後,適合性をとってもシャンファーの方が優れていることは明白である.加えて鋳造時の金属の消費量も変化がないのであれば,シャンファー形態を隣接部に設定するのは極めて無難であるだろう.

 

(2)形成について

上記でもすでに述べたが,形成はシャンファー形態が望ましい.一方でナイフエッジはフィニッシュラインが移行的に伸びだすことで適合性が得られるとの見解もあるが,今日世界的に見てもシャンファー形態以外を目にすることは極めて稀である.歯のフィニッシュラインと修復物のフィニッシュラインは一線であることが辺縁封鎖性には最も重要なことであり,何よりもフィニッシュラインはインレーを製作する歯科技工士が設定するものではなく歯科医師が支台歯形成時に設定するものである.また金属修復物に対する隣接部のすり合わせなどは不可能であるから,フィニッシュラインを明瞭に出すことができるシャンファー形態で形成する必要があるであろう.これは今回の回答からも明らかとなった.

 

(3)ボックス形態について

ボックス形態は回転防止という名目で形成時に使用されることが多かった.さらに極めて菲薄な形成を隣接及び咬合面に行なった場合には咬合力による金属の変形防止,隣接面の形成における審美形態の付与という点では窩洞の有益性は述べることができる.

しかし前述の2点に関しては,窩洞をやや深くすることで解消は可能である.またボックス形態は内側性窩洞において複雑性が上がり適合性低下の原因となる.審美的要素においても内側性窩洞のみで金属修復物を歯に装着し,そこに咬合力が負荷を与えるようであれば,力はインレーに対して側方に放散するような力が生まれ,いずれ歯を破折させるように働くことも示唆される.咬合を支えるインレーにおいては内側性窩洞と外側性窩洞の絶妙なバランスが重要となる.不用意なボックスフォームは金属量の消費をも生むことから,臨床においては十分な深さが得られるのであれば付与する必要はないと思われる.

 

Twitterの使用に関して

今回Twitterを使用したのは,不要なバイアスを防ぐためである.取引先の技工所はバイアスの大きなリスクを孕んでいる.また質問への返答はリアルタイムで確認することもでき,制限時間も正確,さらには集計も極めて容易である.一方で回答数はフォロワーの人数にも依存するので,回答数にはまだまだ改善の余地はある.

 

結論

インレー形成はシャンファー形態を基本としてフィニッシュラインを明瞭にし,ボックス形態が不要であれば付与しないようにする.金属量は臨床で気にするほど変化しないので,形成を重要視することが望ましいことが示唆された.

 

ってもっともらしく書いて見た・・・

 

とりあえず、保存修復学21、キャストゴルドプレパレーション、クラウンブリッジの臨床、鋳造、CADCAM yearBook2013を参考に

 

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